不公平さの是正に繋がる

企業における人事異動のメリットとしては、異なる職務を経ることで、管理能力が高まることが挙げられます。
新しい仕事を覚えることで、新たな能力を高めることに繋がるためです。

しかし、その人の能力に適性がなければ逆に非効率になるリスクもあるので、周囲に負担をかけることになります。
社員の能力を見極めることが大切で、慣れた仕事を続けた方が良い場合もあると言えます。
そのため、中小企業ではリスクをとりたくないため、人事異動をあまり行わないのが実情です。

一方、大企業の場合、同じ部署に長くいると馴れ合い関係が生まれやすくなり、場合によっては不正行為に繋がる可能性も高くなります。
それを防止するには担当を変えるなどの対策が有効で、定期的に人事を刷新することも大事になります。

人間関係においても、上司と部下の中が悪ければ士気の低下に繋がったり、離職を促す事態に陥りやすくなります。
人事考課は上司の裁量次第なので、不公平になりがちです。
人事異動には、そうした不公平を是正する意味もあるのです。

また、仕事内容に関しても、人気の職とそうでないものがあり、定期的に人員を入れ替えることで、不公平がなくなり離職率も減ると言えます。

大企業が人事の刷新に積極的なのは、上位に昇格させる人材の選抜を優先させるためです。
多くの社員の中から上位社員になるには、複眼的な高い評価を得る必要があり、それには人事移動が最も有効な手段です。